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教育 / #研究 Sさん
スクラで学んだ大きな変化は、職場における自分と家庭のなかの自分の両方に自分軸を実感できたことです。
今は復職に対してスクラで学んだことを最初から100%実行できなくても、経験を重ねて力になるように前向きに仕事を楽しみたい。そんな気持ちで溢れています。
01
育休スクラで
得られたものや、
ご自身の変化は?
受講前、私は育休という期間に対してハンディを感じていたわけではなく、子供と向き合える日々に感謝し家族との時間が持てることに喜びを感じていました。しかし、一方で、その時の自分のキャリアに自信をもっていなかった本当の心の声と向き合う時間の余裕があったことで、どう働いていきたいのか、何を目指していきたいのか、どんな自分でありたいのか、キャリアビジョンを上手く描いていけない状態にあることを感じるようになっていました。
漠然と「業績を上手く積むことができない」「この仕事に向いていないのではないか」「どこにやりがい・達成感を見出したらよいのか分からない」といった不安を抱えるだけで、この問題を、どこから、どのように解決していったらよいのか、その切り口が見えないのはもちろんのこと、今まで大切に積んできた経験やその時に得られた喜びさえも思い出せない状態にありました。
そんな状態にあった私が、今感じている「変化」があります。その変化は、各回の授業内容、スクラメンバーの思考の共有の場、受講レポート作成の機会を繰り返し、学びを重ねてきたことによって確実に感じられるようになりました。毎回の講義内容にあった知識の一つ一つ(概念の定義や解釈、視点、ディスカッションの内容をまとめ全体と共有する作業等)を考え、自分の経験と照らし合わせて考えてみること、そして、それをレポートという形でまとめるには、自分を内省する作業が非常に重要でした。それは、過去の自分と向き合うことであり、自分の弱みと感じてきた部分・蓋をしてみて見ぬふりをしてきたのかもしれない「恐さ」に触れる作業でもありました。とても時間のかかる作業で、思考全開の状態で言語化してきました。苦労とまではいかなくとも、私にとっては、自分の心と向き合う空間、それが受講レポートの作成でした。でも一方で、表現するということの楽しさも感じられる時間でした。
前置きが長くなってしまいましたが、三か月間、スクラの学びの場で感じられた「変化」と、その変化に繋がった「学び」を、三つ挙げたいと思います。
私のなかで感じている変化とは、過去の自分を責めることはやめよう、他者と何の根拠も現実味もない軸で比べることはやめよう、漠然とした不安を抱えた自分にさよならを言う決心ができた自分を信じよう、そんな私に自信を持とう、このように、キャリアを通じた自分軸を実感できたことにあります。これまでとは何かが違う。着実に、冷静に、客観的に心理的要因分析をおこない、環境分析をおこなうための自分軸の大切さに気付けたことが、自信に繋がっている。これは、職場にある自分だけの話ではなく、家庭のなかでも同じように自信をもって家族を大切にしていける…。ここに、感情論だけではなく、きちんと、その根拠を見出すことができる自分があります。これが私にとっての大きな変化です。
では、その変化に繋がった学びが何であったのか…。一つは、「心配すること・悩むことと、考えることは別の次元にあるということ」「何にフォーカスしていくべきか、イシューを設定すること」の大切さに気づくことができました。何か心に引っかかること、不安を抱いたこと、恐いと感じたことがあった場合に、まず先に感情が出てきます。感情は情動的なものであり、当然、誰しもが抱くものです。でも、その感情に踊らされてしまっては、問題となっていることが何か、解決策をどう立てたら良いのか分からなくなってしまう…。キャリアを通じて考えてみるならば、まずは、自信がなかった自分の何が要因なのか、疲れてしまった自分を顧みて、仕事の進め方のどこに問題があるのか、「問題探し」を俯瞰しておこなってみるということ。これが大事な学びだったと感じています。
二つ目は、感情のダムが決壊した様に溢れ出て、何もかもが水浸しになってしまう前に、平常時から、常に周期的に仕事のビジョン(目標・成果・達成・やりがい)に対する意識を持って、自己管理(セルフマネジメント)することが、働く者としてのモチベーションと働く環境を整えていく上で大事であることを学びました。ビジョンとセルフマネジメントにおける意識付けの意義を学ぶ上で感じたことは、職場に戻った時に、意識の維持が難しくなる可能性、また、ビジョンを共有できずに孤独になってしまう可能性も十分に考えられるので、そこは、学んだビジネススキルがきちんと運用されているのか、外部の専門家にカウンセリングしてもらうということを、習慣化しても良いと感じています。こう思えるようになったのは、スクラでビジネススキルを受講してみて、思考が柔軟になったからではないかと感じています。
三つ目は、自分の観点から物事を視るだけではなく、チームの観点から、成功に導くためのスキルと視野があるということ。そして、チームという小さな社会を通じて、自分がやるべきこと、できること、求められていることが何か、期待役割と目標を設定して、成果を確実に出していくことが大事だと学びました。人は、一人では生きていけないのと同じように、盲目的に自分だけが頑張っていても、いつか限界がきます。組織のなかで生きていくためには、所属するチームの一員であることを自覚し、期待役割とそのなかで設定した目標を常に意識しながら、上司や同僚、部下とのコミュニケーションを図っていきたいです。
論理的な思考術、哲学的な思考の構造を、ビジネスをうまく導く環境設定への課題を通じて習得したことは、非常に大きな学びがありました。講師の先生方、また、スクラの受講生の皆さんと時間を共有できたことを、本当に有難く思っています。
02
今後のキャリアビジョンを
どのように考えていますか?
まずは、キャリアを通じての自分自身の経験に自信をもって復職したいです。自分のなかの変化と成長を感じることができた育休という時間のなかで、自分のなかで確実にしていきたいキャリアビジョンがあります。それは、理想で終わらずに、現実的に実現可能な範囲内で目標設定ができる判断力と、思ったことや考えたことを言語化し、組織やチームのために実行に移すことができる瞬発力をもって、どんな時でも冷静に現場に対応できる柔軟性をもった働く女性・働くママでありたいです。
チームを導き、成果を出していく。そこに、個人としてのやりがいや達成感と、チームとしての成果や達成感とが合意形成できていれば、それが「仕事の楽しさとやりがい」に繋がりやすい…。チームのことを考え、それが組織全体にどう利益として繋がっていくのか、その仕事への楽しさを感じている時には、おそらく「組織と握手できる働く私」がきちんと存在しているはずです。
キャリアビジョンとありたい自分の姿は、家庭においても同様です。大事な家族に誠実でありたい。仕事をする私も、ママである私も、妻である私も、やっぱり物事を楽しめるポジティブな存在でありたい。すべてを盲目的に自分が成し遂げようとする必要はなく、夫や両親にまずは頼ってみる。ヘルプを出すことは、家族というチームにとって必要な行動の一つなのだから、そこに負い目を感じるよりも、「ありがとう」の気持ちをまずは相手に見せていくこと。チームメンバーの心が温まる、そんな一言を大切に、声を掛け合いながら、前を向いて歩んでいきたいです。
03
育休スクラの
仲間へのメッセージを
お願いします。
スクラの受講をはじめた頃、シーンとなりがちだったメンバー交流のことを思い出すと、みんな何から聞いたら良いのか、仕事への関心、共感したいことは山ほどあるのに、どこからどうやって関係を切り開いていったら良いのか…。きっと誰もがそんな気持ちでスタートしたのではないかと思います。でも、受講を重ねていくごとに、私のなかで確実に何かが変わっていったと感じた一つに、メンバーへの信頼と安心感がありました。職種は違っても、それぞれ生きる環境は異なっていても、働くママとして、幸せな働き方を模索している。そんなメンバー一人一人の存在に、私はとても救われました。
今、復職に向けて、以前の様に体力勝負で回りが見えなくなってしまうのではないかという恐さがゼロなわけでもありません。でも、それ以上に、今は復職に対してスクラで学んだことを最初から100%実行できなくても、経験を重ねて力になるように前向きに仕事を楽しみたい。そんな気持ちで溢れています。こう思えるのは、受講中に交わした会話の数々、チャットに書き込まれた無邪気な会話、メンバーの良いところを探し出し、ちゃんと「頑張ってきた私」「頑張ってきたあなた」を認め、背中を押してくれる。目に見えない心の支えが、そこには確実に存在していたと感じています。皆、一人一人が仕事に誠実であること。人の心に敏感であること。スクラは、優しさと愛情で溢れていました。私が今、前を向いて姿勢を正し職場に復帰しようと思えるのは、メンバーの存在があったからこそだと感じています。スクラの受講日の前夜は、なんとなく気持ちがほっとする。そんな日を繰り返してきました。
私は、スクラのメンバーが大好きです。これからも、お互いの成長を見守りあえる存在であり、エールを送りあえる仲間でありたいです。3か月間、心から、ありがとう。心に痛みがあるとき、支えが必要なとき、ジョークが必要なとき、ただ何となくおしゃべりしたいとき、私はみんなのそばにいます。いつでも声を掛けてください。これからも、どうぞよろしく!
04 私のイチオシ科目!
- セルフマネジメント
受講させていただいたテーマ全てに非常に深い意味を見出すことができ、有効度を比較することが出来ないと思っていますが、その中でもとりわけ印象的であり、短期コースを修了した今思い返すなかで、①セルフマネジメントを挙げさせていただきました。
漠然とした不安を抱えながら、その不安の紐を解いていく作業が私にとってのセルフマネジメントであったと感じています。何に不安を感じているのか、なぜスクラという学びのなかで内省したいと感じたのか、なぜ働くのか、なぜ疲れているのか等、自分の凝り固まってしまった思考の筋肉をストレッチし始めた、そんなスタートでした。同科目でスタートできたことで、自分を管理する事とは何を意味しているのか、目標とは何か、それに向かっている今の自分の状態などを客観的に考察することが出来ました。